クーサと野菜の話
青果店へ行くと色々な野菜や果物が積み上げられています。1キロいくらの量り売りです。
ここでの買い物は車で出かけてまとめ買いということが多く、ちょっとした買い物は仕事帰りや学校帰りの人の役目だったりします。
ヨルダンでは女性が車の運転をするのもOKですし、働く女性も増えてきたのではないかと思われますが、基本的には女性は家で働き男性は外で働くというかたちになっています。そこで毎日外出する男性が買い物をするのは珍しくなく、ごみ出し(道路わきにある収集用のごみ箱に随時捨てることになっています)も男性が担当します。家族が多いと家事雑事も多くなるので、誰かがいつも家にいるのは家族の多い現状にはあっているのかもしれないと思います。
今回は野菜のお話を少し。ヨルダンにも勿論四季がありますが写真に写っている野菜はほぼ一年中手に入ります。加工食品やお菓子などもそうですが、野菜や果物にも輸入品が色々あります。たとえばエジプト産のサツマイモ、ソマリア産のバナナ、フランス産のオレンジなど。日本で売っているのとそっくりのネットに入った中国産ニンニクをみたこともあります。
また、ヨルダンからも輸出をしています。商品価値の高いものは輸出に回されるとか。バーレーンに行ったら、色々な野菜にヨルダン産と表示が付いていた、という話を聞きました。パレスチナに近い地方は気候が良くたくさんの野菜が生産されていて、「ヨルダンの食糧かご」(アラビア語からの直訳です)と呼ばれているそうです。
馴染みの野菜でも日本にあるものとは随分様子の違うものもあります。玉ねぎは比較的小ぶりのものが好まれる様ですが、じゃがいもは大きなものが多く、ニンジンは細身です。ピーマンは大きなパプリカぐらいあって肉厚で甘く、オクラは一口で食べられるくらいの小さいもののほうが高価です。
写真手前の薄い緑色の野菜はクーサといいます。日本でよく見かけるナス程の大きさで、ズッキーニの一種のようです。新鮮なものは黄色い花が付いていることもあります。中をくりぬいてお米と小さく切った肉や野菜を詰め、トマト味などのスープで煮たクーサマッシという料理で供されることが多いのですが(形状がイカ飯を連想させます)、わが家ではフリッターにしたり、他の野菜と組み合わせてラタトゥイユ風にしたり、色々試しています。