わが家の食卓 in Jordan

食材、料理を通してヨルダンでの生活をご紹介します

ブドウの葉で巻いたごはんダッワーリは地中海料理?

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きょうの写真はブドウの葉を巻いた料理、ダッワーリです。

ブドウは実だけではなく葉も食材になっています。

青果店でもブドウの葉を売っています。

庭先に植えたブドウの木からダッワーリ用に葉を摘んでいるのを見た時、

そんなに摘んでしまって実がちゃんと育つのかしら、と思いましたが、

その後、実もしっかり収穫できていました。

 

摘んだ葉は、さっと湯がいておきます。ロールキャベツのキャベツと同じです。

この状態で冷凍保存もできます。

水に浸しておいたお米と細かく切った肉や野菜(トマト、キュウリ、たまねぎ、香草など)に塩とスパイスを振ります、これが具になります。

この具を湯がいたブドウの葉で葉巻のようなかたちに包みます。

トマトの輪切りと一緒に鍋に入れて、

スープをひたひたに注ぎ落とし蓋をして炊きます。

塩やスパイスは利かせめのほうが美味しいかもしれません。ブドウの葉自体に少し酸味がありますから。

肉を入れず、お米とやや多めの野菜というのもジューシーな仕上がりになっていい感じです。冷たくして食べるならこちらがおすすめです。

 

ブドウの葉の料理と言うとギリシャ料理のドルマが有名なのではないでしょうか。

ギリシャ料理はユネスコの無形文化遺産に登録された「地中海の食事」だそうですが、

以前ご紹介したひよこ豆のペーストがあったり、ヨーグルトやオリーブオイルを料理によく使ったりと、ヨルダンの料理にも通じるものがあるようです。

 

ヨルダンは地中海には面していませんが、地中海東岸から100kmほど内陸にあり、

国土の南端には紅海に通じるアカバ湾に面した港湾都市アカバがあります。

比較的穏やかな気候で冬に雨が多いのは地中海に近いからかしらと思ったりします。

 

スーパーでは、地中海産や北海産と思われる魚や、冷凍パックのベトナム産の白身魚、インドネシア産のエビなどが売られており、

スパイスのコーナーには魚用ミックススパイスもあるのですが、

魚料理が食卓に上ることはそれほど多くはないようです。

料理法もスパイスと小麦粉をまぶして揚げるか、おなかに香草をつめてオリーブオイルをかけてオーブンで焼く、といったところです。

イスラームで禁止されていたり、特に嫌われたりしている海産物はないようです。

タコ、イカ、うろこの無い魚も大丈夫ですが、

そもそも馴染みがないのでしょう。

語彙もあまり多くないのか日常的には海の生き物をみんなまとめて魚という言葉で表しています。

魚に関してはひとつ言われていることがあります。

曰く、ヨーグルトと一緒に食べるとおなかをこわす。

調べたところではトルコの迷信らしいのですが、ヨルダンでも信じられているようです。わが家にあるロシア料理の本ではサメとヨーグルトを使った料理が紹介されていますが。

 

やはり、ヨルダンでは魚よりも肉の扱いが上手です。

生きた羊を買ってきてイスラームの方法にのっとって屠殺し解体するのを見たときは、驚いたり感心したりしました。

このお話はまたの機会に。